演習(ゼミ)とはどんなものか。

畠山 亮 更新日: 2013年04月23日
大学の授業は、大きく「講義」と「演習(ゼミ)」とに分かれます。
高校から入ってすぐの一回生の時は、
教員が話すのを聞く形が一般的な、「講義」の方が馴染みがあると思いますが、
大学ならではのスタイルとして重要なのが、「演習(ゼミ)」です。
龍谷大学法学部は、二回生後期から1年間の「演習Ⅰ」、
三回生後期から1年間の「演習Ⅱ」、
そしてその後、半年間で「卒業研究」を書く、
これらを基本、一つのゼミで行うことになります。
今、二回生は、ちょうどこの選択の時期ということで、
畠山ゼミを例として、ゼミとはどんなものか、簡単に紹介したいと思います。
というのも、年々、学生たちがゼミのことをきちんと理解せず、
したがって、きちんと選択できない、という傾向にあるように感じられるからです。
———————
まず、何よりゼミは、「学生が主役」ということです。
この点が、講義形式と最も大きく異なる点です。
この点を理解しておかないと、ゼミに入ってからも、
先生の指示を待ち、教えてもらうことを期待するだけになってしまいます。
ゼミでは、自分で考え、行動し、成果を上げる、
これが基本になります。
ここで問われるのは、何より自主性・主体性です。
「これをやりたい。やるんだ」という意志を常に持って臨むこと、
それが無ければ、ゼミに居る意味はありませんし、
逆に言えば、これさえあれば、ゼミにおいてどこまでも成長して行くことができます。
ゼミに入って、ただ黙って座っているだけの時間は、この上なく無駄な時間であり、
逆に、主体的・積極的に取り組むことは、無限の可能性をもたらすのです。
———————
例えば、うちのゼミでは、
研究テーマそれ自体を、自分で探し、設定するところから始めなければなりません。
素材・判例などを先生から与えられるゼミも少なくないですから、
それを期待していた人は、
この時点で大きな挫折を味わうことになってしまいます。
テーマを決めてから、調査・検討を行い、レジュメにまとめ、報告し、質疑応答、
そのすべてを、自分の力で乗り切ることになります。
大変なのは確かですが、その分、力が付くのも確かですから、
あえてそのようにしているのです。
(とはいえ、いきなりすべてを一人でやるのは難しいので、
うちのゼミでは三回生が「チューター」として補助・指導を行うことにしています。
このことは、二回生にとって心強いのはもちろん、
三回生にとっても、自分の力を確認し、成長する機会となっていますし、
学年を超えてゼミが一つになるのも、うちのゼミならではの良いところです。)

2枚とも、昨年末に行われた、3回生による卒業研究構想発表会(「卒論コンペ」)の様子

もう一つ伝えておきたいことは、
「自分が本当に勉強したいこと」を、よく考えた上で、ゼミを選んでほしい、ということです。
なにしろ、一度入ったゼミは、卒業まで続くものですから、
今後の学生生活の大きな部分を占めることになります。
ところが、まだ二回生が始まったばかりですから、
どこを選べばいいのか、なかなか簡単でないのは確かです。
そのため、
「一回生の時に習ったから」
「○○(公務員など)試験に使えそうだから」
「楽そうだから」
といった理由で、ある意味安易に選ぶ人が少なくありません。
しかも、そうした選び方が、年々増えているように感じることに、危惧を感じています。
———————
上記の通り、ゼミというのは、
自分の主体性に依拠して学ぶところですから、
そこでは、自分が追究したいことを、
ただ純粋に「追究したいのだから」という理由だけで、
とことんまでやり遂げることができる場である訳です。
そのような場は、実は大学生活の中でもなかなか無く、
また、社会に出た後であれば、まずあり得ないと言っても過言ではありません。
ゼミが、このような貴重な場であることを、きちんと意識すれば、
「ゼミを選ぶ」という作業は、容易に行われるべきものではなく、
しっかりと自分に向き合い、自分が何を追究したいかを、真剣に考える、
という手続きを経た結果でなければならないことは、想像に難くないと思います。
そのような末に選んだゼミでこそ、皆さんは成長できるはずです。
「○○ゼミに入ること」を目標とするのではなく、
「入ったゼミで何をするか」こそが大事であり、
その結果の成長こそ、どんな分野に進んだとしても、必ず実になるものです。
ぜひ、この機会に、「自分がやりたいこと」を真摯に考え、
その結果として、ゼミを選択してもらえれば、と思います。
———————
このように、少し厳しく書いて来ましたが、
これらとは別の視点から見れば、
大学生活の大半を共に過ごし、
卒業後にも、もしかしたら一生、関係が続いて行くかもしれない、
という人間関係が築かれる場ですから、
やはり、どんな人達が居るゼミなのか、
どんな雰囲気なのか、
楽しいところなのか、
といった要素も、小さからぬ要素になるでしょう。
この点も、先輩や友達から評判を聞いたり、噂や情報を集めたりなど、
材料をなるべくたくさん集めて、判断してみてください。
最後に手前味噌の宣伝として、
「楽しさ」「人間関係の良好さ」「上下関係の緊密さ」なら、
どこにも負けない自信のある畠山ゼミをPRして、終わりたいと思います。
各自、充実した、満足の行くゼミ選択となりますように。

ゼミ合宿にて、さぬきうどん作り

同じく、栗林公園にて

立命館大学との合同報告会→勝利!

伏見稲荷参拝

海外に留学に行くゼミ生の送別会

お花見にて、ゼミ長の誕生日を祝う

トラックバック

このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメント & トラックバック

No comments yet.